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投稿日:2022.07.19
更新日:2024.07.30
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離乳食のパンの選び方とは?赤ちゃんが安心して食べられるパンの見分け方

離乳食のパンの選び方! 注意すべき6つのポイントと時期別の与え方

パン粥にしたり、手づかみ食べ用に小さく切ったりと、パンは初期~完了期の離乳食にも便利に使える食材です。

離乳食は赤ちゃんが食べるものだから、便利さだけでなく健康面にも気づかいが必要であり、どんなパンを選べばよいのかと迷う方も多いでしょう。

 

パンの材料によっては食物アレルギーや乳児ボツリヌス症など、赤ちゃんに悪影響を与える可能性もあります。

赤ちゃんの健康を考えるのであれば、離乳食では、安心して与えられるパンを選びたいですよね。

 

この記事では、安心できるパンを選びたいママやパパのために、離乳食のパン選びのポイントや時期別のパンの与え方、パンの保存方法などをご紹介していきます。


 

 

離乳食のパンを選ぶ6つのポイント

離乳食のパンを選ぶ6つのポイント

赤ちゃんが口にする離乳食の材料は、大人の食事以上にしっかりと選んであげたいですね。離乳食に使うパンは、6つのポイントに注意して選んでみましょう。

①『食品添加物』が少なく原材料がシンプル

離乳食用のパンは、できるだけ食品添加物を使っていない、原材料がシンプルなものをおすすめします。

食品添加物は、厚生労働省が健康に影響のない場合に限り、成分の規格や使用の基準を定めた上で、使用を認めています。

 

ただし、日本ベビーフード協会では、「食品添加物の使用は必要不可欠な場合に限り、最小限とする。」としており、使用できる食品添加物をさらに限定しているため、なるべく材料がシンプルなものを選ぶようにしましょう。

 

市販のパンには、発酵促進のためのイーストフードや、保水性を高めてやわらかさを維持する乳化剤といった食品添加物が使われることがあります。

原材料はメーカーや商品によって異なるので、袋などに記載されている原材料表示を確認し、食品添加物が少なくシンプルな原材料のパンを選びましょう。

②『国産の小麦』を使っている

離乳食には、国産小麦を使ったパンがおすすめです。輸入小麦は使われる農薬の量が多い可能性が高く、残留農薬が気になるからです。

農民連食品分析センターが、小麦製品や食パンについて、除草剤の成分であるグリホサート残留状況の調査をしています。

 

その結果、国産小麦製品ではグリホサートは検出されず、輸入小麦では非常に微量ですが検出されました。農薬に関するルールは国によって違い、残留基準値も各国で決められています。

(参考)一般社団法人 農民連食品分析センター「小麦製品のグリホサート残留調査1st」

 

食品安全委員会が定めた許容量(摂取しても健康に悪影響がないと推定する量)と比較してもごくわずかの量で、安全性の問題はありません。

ただ、赤ちゃんには、より安心できる国産小麦のパンを選んであげたいですね。

 

ちなみに、「小麦粉(国内製造)」という表記を見掛けますが、これは海外で栽培した小麦を日本で製粉したものも含むので、小麦の生産国が日本だとは限りません。

「小麦粉(小麦(国産))」というように小麦の産地が明記されているものを選ぶとよいでしょう。

③アレルゲンになりやすい『卵・乳製品』に注意

離乳食では、食物アレルギーにも注意が必要です。パンには、とくに注意が必要とされる食物アレルギーの特定原材料7品目のうち、卵・乳・小麦の3品目がよく使われます

離乳食では食パンがよく使われますが、一般的な食パンには乳製品が使われています。ロールパンや菓子パンには、乳製品だけでなく卵も使っているものが多いです。

 

また、小麦粉はほとんどのパンで使用されています。

パンデビューの際は、少量食べさせて様子を見て、食物アレルギーの症状が出ないかを確認しましょう。

もし食物アレルギーを発症しても医療機関を受診しやすい平日の午前中を選ぶのが安心です。

④トランス脂肪酸が含まれる『マーガリンなど』が使われていない

マーガリンなどの油脂にはトランス脂肪酸が含まれているので、油脂が使われていないパンがおすすめです。

トランス脂肪酸に関して日本は欧米に比べて摂取量が少ないと言われていますが、動脈硬化や心臓疾患のリスクがあるので、赤ちゃんには与えないほうがよいでしょう。

 

マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドに含まれるトランス脂肪酸量は、加工技術の向上によって、昔にくらべると格段に減少しています。

ただ、まだまだ食事量が少ない赤ちゃんには、できるだけトランス脂肪酸を摂取させたくありません。離乳食には、マーガリンなどの油脂を使っていないパンを選んであげましょう。

⑤乳児ボツリヌス症にかかる恐れのある『はちみつ』が使われていない

離乳食では、はちみつが入ったパンは食べさせないようにしましょう。はちみつにはボツリヌス菌が混ざっていることがあります。ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません。

 

1歳未満の赤ちゃんの場合は腸内細菌の環境が整っておらず、ボツリヌス菌が体内に入ると乳児ボツリヌス症(※)にかかる可能性があります
乳児ボツリヌス症(※)・・・ボツリヌス菌が体内で作り出す毒素によって、便秘や筋力低下、脱力状態、呼吸困難など、さまざまな症状が見られます。

 

1歳を過ぎれば腸内環境が整い、はちみつを食べても大丈夫になるので、それまでは、はちみつが入っていないことをよく確認しましょう。

⑥『塩分・脂質』が少ない

離乳食用のパンは、塩分や脂質が少ないものを選びましょう。離乳初期は、素材そのものの味を感じることで味覚が成長します。初期から塩味のある離乳食にすると、濃い味を好むようになり、大人になって生活習慣病(※)になる可能性が高くなります
(※)生活習慣病・・・食事や運動などの生活習慣が原因で発症する病気。例えば、がんや心臓病など

 

また、消化機能が未発達なので体に負担がかかってしまいます。脂質は7ヵ月くらいの離乳中期から徐々に消化しやすくなりますが、それまでは脂質をなかなか消化しきれません。

 

そのため、下痢などの体調不良につながる恐れがあります。

赤ちゃんの味覚や消化機能は未熟で、離乳食を体験することで発達していきます。比較的塩分が多いフランスパンや、油脂の配合が多めのバターロールなどは、離乳後期以降にしましょう。離乳初期はシンプルな食パンがおすすめです。

 

ただし、赤ちゃんにとって消化しにくいライ麦や全粒粉を使用した食パンは控えた方がよいでしょう。


 

 

離乳食に食べていいパンの種類と摂取量の目安

離乳食に食べていいパンの種類と摂取量の目安

離乳食には初期・中期・後期・完了期の4つの時期があり、時期によって与え方が変わってきます。

それぞれに合うパンの種類や摂取量をご紹介しましょう。

離乳初期~中期は『食パン』をパン粥で与える

離乳初期から使える、離乳食に便利な食パン。時期によって、食パンの与え方や適切な量は変わってきます

時期 状態 与え方 1日の目安量
離乳初期
(ゴックン期)
目安:生後5~6ヵ月
ごっくんと飲み込むだけ 白い部分をすりつぶしたパン粥 10~15g
(耳なし8枚切り:1/4~半分)
離乳中期
(モグモグ期)
目安:生後7~8ヵ月
舌ですりつぶすことができる 白い部分を一口大に刻み柔らかく煮込んだパン粥 15~20g
(耳なし8枚切り:半分~2/3)
離乳後期
(カミカミ期)
目安:生後9~11ヵ月
手づかみ食べや自分でかむことができる 白い部分をスティック状や赤ちゃんの手のひらサイズにカットしてそのまま 20~30g
(耳なし8枚切り:2/3~1枚)
離乳完了期
(パクパク期)
目安:生後12~18ヵ月
大人とほぼ同じものを食べられる 白い部分を持ちやすいサイズにカットしてそのまま 30~50g
(耳なし8枚切り:1枚~1枚半)

離乳後期からは『フランスパン』も与えられる

消化機能や味覚がある程度発達してきた離乳後期からは、食パン以外のパンも与えられます。フランスパンもそのひとつです。

一般的なフランスパンの原材料は、【小麦粉・イースト・塩・水】といったシンプルなもの。食パンよりも塩分が少し多めなので、離乳初期・中期には向きませんが、原材料のシンプルさでいえば離乳食向きといえます。

 

はじめのうちは内側の柔らかい白い部分だけを削ってパン粥にしたり、薄切りにするのがおすすめです。軽く焼くと食べやすくなりますが、ミミが口の中に張り付いたり、刺さることもあるので注意は必要です。

フランスパンの外側はかたいので、内側の白い部分を与えましょう。フランスパンをパン粥に使う場合は、一度ゆでて塩分が溶け出したゆで汁を捨ててから調理するのがおすすめです。


 

 

離乳食で余ったパンは冷凍庫で保存する

離乳食で余ったパンは冷凍庫で保存する

離乳食で余ってしまったパンは、冷凍庫で保存しましょう。

常温で保存しながらちょっとずつ使っているとカビが生えることがあり、冷蔵庫に入れると乾燥して食感のかたいパンになってしまいます

冷凍保存なら、パンのおいしさを長期間キープできるのでおすすめです。1~2週間を目安に使いましょう。

冷凍する際は、1食分ずつなどの使いやすいサイズにカットして、ラップに包んだあと保存袋に入れます。パンが凍った状態だとすりおろしやすいので、離乳初期にも便利です。冷凍したパンは、一度加熱してから与えましょう

【Q&A】離乳食のパンについてのよくある3つの疑問

【Q&A】離乳食のパンについてのよくある3つの疑問

離乳食のパンについて、みんながよく思う疑問を3つご紹介していきます。

Q1:手作りと市販のパンはどちらがいいですか?

手作りパンと市販のパン、どちらでも問題ありません。

ただし、市販のパンは離乳食では注意が必要な原材料が使われているものもあるため、確認して選びましょう。

手作りパンは手間がかかったり出来が安定しなかったりしますが、材料を自分で選ぶことができるので、離乳食にも安心して使えます。

Q2:パン屋さんと量販店のパンはどちらがいいですか?

離乳食用にパンを購入するのであれば、包装の裏面で原材料や食品添加物などが確認できる、スーパーなどの量販店で販売されている袋詰めのパンがいいでしょう。包装して販売されているパンは、原材料の表示が義務付けられています。

一方、製造から販売までしている町のパン屋さんのパンは、表示義務の対象外です。包装されていないことが多く購入前に自分で原材料が確認できないことが多いので、気になる場合はお店の方に聞いてみてください。

Q3:パンは冷凍したものは使わない方がいいですか?

冷凍したパンも、離乳食に使えます。

ただし、赤ちゃんにあげる場合は、パン粥に使ったりトーストしたりと、一度加熱したほうが安心です

そのままあげる場合は、電子レンジで10~30秒ほど加熱して解凍するのがおすすめです。また、1~2週間を目安に使いきるようにしましょう。

離乳食のパン選びでは購入の前に食品表示をよく確認する!

離乳食のパン選びでは購入の前に食品表示をよく確認する!

離乳食に使うパンは、赤ちゃんの健やかな成長のためにも、ぜひ原材料をチェックして選ぶようにしましょう。

  • 食品添加物が少ない
  • 国産小麦を使っている
  • アレルゲン(卵・乳製品・小麦)に注意する
  • マーガリンなどの油脂が使われていない
  • はちみつが使われていない
  • 塩分・脂質が少ない

赤ちゃんが食べるパン選びは、これらのポイントを原材料表示などで確認することが大事です。

ホームベーカリーを使えば自宅でも手軽にパンを焼けるので、離乳食用に食材を厳選し、安心できるパンを手作りするのもよい方法ですよ。

 

 



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