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コラム

2022/10/13

パンに油脂は必要ない?役割や種類毎の特徴とは?置き換えできるかも解説


「パンに油って絶対必要なの?」

「パンにバターをいれるのはなぜ?」

「バターをサラダ油で代用できる?」

 

パン作りをする時に、こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

パンのレシピには、バターなどの油脂(油)が入っていることが多く、マーガリンやサラダ油で代用したいと思うこともありますよね!

 

実は、パンの基本材料は【小麦粉・酵母・砂糖・塩・水】ですので、バターなどの油脂を入れなくてもおいしく作れます。

パンに油脂を入れる理由は、【生地の作りやすさ・水分の蒸発を防ぐ・風味を良くする】ということにあります。

つまり、パンに油脂を入れると、パン作りがしやすくなり、食感を長持ちさせやすくするため、多くのパンには油脂が使われているのです。

この記事では、パン作りにおける油脂の役割、油脂を使わないパンとの違い・油脂の種類や選ぶポイント・油脂の置き換えについて解説します!

パン作りや、自分に合ったパン選びの参考にしてくださいね!

 

油脂不使用のパンをお探しの方へ

サラのパンは油脂はもちろん、卵・乳製品・食品添加物などの余計な材料は一切使いません

材料は、こだわり安心の『国産』です。

油脂不使用のパンを食べたことがない方は、ぜひチェックしてみてください。

パンは油脂がなくても作れる!

パンはバターやマーガリンなどの油脂が無くても作れます

もともとパンの基本材料は【小麦粉・酵母・砂糖・塩・水】なので、油脂はあくまでも副材料です。

当サイトのサラのパンも油脂は一切使っていません。
※一部除く

油脂が無い場合は、無理に置き換えず、油脂を使わないパンを作ってみると、ヘルシーで素材本来の味を楽しめるパンを作れます!

パン作りは、油脂よりも酵母や小麦を変えてみるといろいろな食感や味わいを楽しめますので、油脂にこだわらず、基本材料でのパン作りにもぜひチャレンジしてみてくださいね。

パンに入れる油脂の役割

パンに入れる油脂の役割は5つあります。

  1. 伸展性(※)を高める
  2. 生地を膨らみやすくする
  3. 水分を閉じ込める
  4. パンの老化を遅らせる
  5. 風味を良くする

(※)伸展性(しんてんせい)・・・生地を伸ばし、広げやすくする性質のことで、伸展性が高いほど生地は良く伸びる生地になる

ここでは油脂の5つの役割について解説していきます!

①伸展性を高める

パンに油脂を入れると、生地の伸展性を高めることができます。

伸展性が高まり伸びやすくなった生地は、成形もしやすく扱いやすいため、失敗しにくく安定してパン作りができます。

パン作りにはバターやマーガリンなどの固形油脂がよく使われていますが、固形油脂には『可塑性(※)』という性質があります。

(※)可塑性(かそせい)・・・外部からの物理的な力によって、形を自由に変える性質

 

固形油脂はこの可塑性によって、生地を捏(こ)ねる時に形を変え、グルテン(※)の膜に沿って広がります。

(※)グルテン・・・小麦粉に水を加えることで出来る成分。粘り気と弾力を与え、食感を良くする。

広がった油脂は生地同士の抵抗を少なくする潤滑油(じゅんかつゆ)となり、生地を伸びやすくするのです。

 

例えば、車や網戸などに油を差して滑らせるイメージをすると分かりやすいです!

潤滑油が含まれ伸びやすくなった生地は、捏ねやすく成形もしやすくなるため、ほとんどのパンに油脂が使われています。

②生地を膨らみやすくする

パンに油脂を入れると、生地は膨らみやすくなります

パンが膨らむのは、グルテンと酵母の力で発酵する時にガスが発生するためです。

グルテンは、発酵によって出たガスを包む風船のような役割をしています。

風船がたくさんあると、パンのキメは細かくなり、大きく伸びることで膨らみやすくなります。

大きく伸びる風船の表面に、油がコーティングされて滑りやすくなった状態を想像していただけると分かりやすいと思います。

空気は加熱されると膨張して膨らみますが、摩擦によって風船が割れてしまえば、ガスは抜けてしまいますよね。

油脂がコーティングされることによって、生地同士の抵抗が少なくなり、膨らみやすくなるのです。

③水分を閉じ込める

パンに油脂を入れると水分を閉じ込める効果があります。

水分を閉じ込めることでパンのしっとり感を長持ちさせ、おいしい状態を保てます。

油脂が生地の間に入りこみ、グルテンの表面を膜でコーティングすることで、気泡とともに水分の蒸発も防ぎ、生地が固くなるのを防げるのです。

リップクリームを塗ることで唇の乾燥を防ぐことができますよね!

 

油は水よりも軽く、水と混ざらない性質をもっていますので、表面をコーティングしておくことで水分が蒸発するのを防ぎます。

パンは水分が蒸発することで硬くなり、おいしさも損なわれていくため、油脂をいれることで乾燥しにくく、しっとり感を長持ちさせられます。

④パンの老化を遅らせる

油脂はパンの老化(※)を遅らせる効果もあります。

(※)老化・・・時間が経つことでパンが乾燥し、硬くなっておいしさが損なわれること

老化を遅らせるとパンはやわらかい状態を保ちやすくなり、おいしい状態を長続きさせられます。

 

ただ、油脂も時間が経てば酸化し、劣化します。

油脂は酸化するとニオイが発生したり、粘度(ねんど)が増したりします。

 

例えば、揚げ油を何度も繰り返し使っていると油の色が濃くなり、どろどろになっていきますよね。

特に油は加熱すると酸化が加速し、過酸化脂質(※)を生みます。

(※)過酸化脂質・・・動脈の血管が硬くなる原因にもなる物質

 

パンに油脂を入れることで水分を保ち、パンをしっとりと長持ちさせられる反面、油脂は時間が経てば酸化してしまい、悪い影響も起こすのです。

市販のパンは製造から4〜5日程度が消費期限に設定されていますが、なるべく早めに食べきるように心がけてくださいね。

⑤風味が豊かになる

パンに油脂を入れると風味が良くなります。

油脂を使っていないパンは小麦や酵母の風味だけなので、素材の味がストレートに表現されやすくなります

バターが使われているパンは、ふわっとバターの風味がするので、小麦や酵母の香りがあまりしなくてもおいしく感じられます。

風味を良くするために使う油脂の代表はバター、マーガリンなどがあります。

香りの強い油脂を使うと、他の材料の風味が薄れてしまいますので、主役にしたい素材によって油脂を変えてみるのも良いでしょう。

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油脂を使う・使わないパンの違い

ここでは油脂を使ったパンと使っていないパンとではどんな違いがあるのかを解説します。

例えば、油脂以外は同じ材料を使って、配合も変えずにパンを作った場合の違いは以下のようになります。

比較場所 比較項目 油脂あり 油脂なし
生地 伸び 良い 少ない
ベタつき 多少ある ない
質感 ふっくら しっかり
成形 しやすい しにくい
発酵 変わらない
焼き上がり 膨らみ 大きい 小さい
すだち※1 細かい 荒い
食感・風味 クラスト※2(外側) 薄く歯切れが良い 厚みがありしっかり
クラム※3(内側) やわらかい もちもち
食感 口どけが良い 噛み応えがある
風味 使用する油脂の風味が加わる 粉の味が感じられる

(※1)すだち・・・パンをスライスした断面に見える気泡の跡

(※2)クラスト・・・パンの表皮(ひょうひ)部分。外側の硬く焼き色がついた部分

(※3)クラム・・・パンの中身。外皮(がいひ)の内側にある柔らかい部分。

生地の違い

油脂を使った生地と、使っていない生地には以下のような違いがあります。

比較項目 油脂あり 油脂なし
伸び 良い 少ない
ベタつき 多少ある ない
質感 ふっくら しっとり
成形 しやすい しにくい
発酵 変わらない

油脂を使った生地は、扱いやすくふっくらとした仕上がりになり、油脂を使っていない生地は伸びが少なく、しっかりとした仕上がりになります。

発酵は酵母の力のため、油脂を使っても使っていなくても変わりません。

油脂を使った生地は、パンが作りやすく失敗しにくいので、誰でも安定してパンを作ることができます。

油脂を使わずにパンを作るにはコツや慣れも必要ですので、カロリーが気になる方や、安心・安全にこだわりたい方は油脂を入れずにパンを作ってみてくださいね。

焼き上がり

油脂を使った生地と、使っていないパンの焼きあがりには以下のような違いがあります。

比較項目 油脂あり 油脂なし
膨らみ 大きい 小さい
すだち 細かい 荒い

発酵に違いはありませんが、同じ配分で焼いた場合、油脂を入れた生地の方が安定して大きく膨らみやすくなります。

油脂を使わない場合は、生地の状態を見ながら配分を調整する必要がありますので、慣れが必要です。酵母の種類や発酵の時間を変えると、パンの焼きあがりも変わりますので、こだわりのパンにチャレンジした方は、油脂を入れずに焼いてみてくださいね。

味・食感

油脂を使った生地と、使っていないパンの味・風味には以下のような違いがあります。

比較項目 油脂あり 油脂なし
クラスト(表面) 薄く歯切れが良い 厚みがありしっかり
クラム(内側) やわらかい もちもち
食感 口どけが良い 噛み応えがある
風味 使用する油脂の風味が加わる 粉の味が感じられる

油脂を使ったパンは、表面が薄くサクッと、中はやわらかく口どけの良い仕上がりになります。

油脂を使っていないパンは、表面がしっかりカリっと、中はもちもちで噛み応えのある食感になります。

 

バターだと香りが強く、小麦の香りは薄れてしまいますが、やわらかく、口どけの良いパンを作れます。

油脂を使わないパンは、小麦の風味をしっかり感じられるので、素材の味を楽しみたい方におすすめです!

 

油脂を使うか使わないかだけでも、パンはいろいろな違いを出すことができます。

配分や酵母にこだわれば、もっとたくさんの違いを楽しめる奥深さもパン作りの魅力ですよね!

ぜひお好みのパンを作る参考にしてみてください!

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パンに入れる油脂の種類と選ぶポイント

パンに入れる油脂を変えると、また違った楽しみ方ができます。

ここでは油脂の種類と選ぶポイントについて解説します。

風味豊かなパンにしたいなら『バター』

風味豊かなパンにしたいなら無塩バターを選びましょう。

バターは小麦との相性が良く、香りもコクも強いので、風味豊かなパンに仕上げられます。

他の油脂に比べると値段は高いですが、バター特有のコクと風味の強いパンは人気です。

また、バターは固形油脂なので、上述した油脂の効果を発揮し、初めての方でも失敗しにくくパンを作れます。

焼き上がりの風味を豊かにしたい場合にはバターがおすすめです!

材料費を抑えたいなら『マーガリン』

「バターはちょっと高い!」という、材料を安くしたい方におすすめなのがマーガリンです。

バターと同じ固形油脂なので、置き換えもしやすく、ほんのり風味もありますのでお手軽にパン作りをしたい方には、できれば無塩タイプのマーガリンがおすすめです!

ひと味違ったパンにしたいなら『ラード』

ひと味違ったパンを作りたい時はラードがおすすめです。

ラードは焼き上げると甘みが増し、コクのある仕上がりになります

ラードというと、臭みがあるのではないかと心配されるかと思いますが、焼き上げたときには臭みはほとんど残りません。

日本ではパンよりも中華まんの生地などによく使われています。

ひと味違ったパンにしてみたい方は一度使ってみてもいいかもしれませんね!

安さにこだわるなら『ショートニング』

とにかく安くパンを作りたい場合はショートニングがおすすめです。ショートニングは市販のパンにもっともよく使われていて、バター同様、固形油脂のためパン作りがしやすく、無味無臭なのでクセはありません。

何より安価に手に入るため、工場などで大量生産される格安パンにはショートニングが多く使われています。

最近はスーパーでも置いてあるところも多いので、比較的簡単に手に入りやすくお値段も安いので、お手軽にパン作りができます。

バターのような風味は期待できませんが、なるべく安くパン作りがしたい方はショートニングを使うと良いでしょう。

フォカッチャやナンには『オリーブオイル』

フォカッチャやナンなど、お食事パンと相性のいい風味を出してくれるのがオリーブオイルです。

オリーブオイルは香りも強いため、食パンやロールパンなどのやわらかいパンだとかなり香りが残りますのであまりおすすめできません。

フォカッチャやナンはもともとオリーブオイルで作るレシピが多く、カレーやイタリアンに合わせて食べるのでオリーブオイルとの相性が良くおすすめです。

どうしても他の油脂が無ければ『サラダ油』

「バターもマーガリンもない!」という場合にはサラダ油で置き換えも可能です。

サラダ油もオリーブオイル同様、液体油脂なので、混ざりにくいですが、代用ができないわけではありません。

サラダ油は簡単に手に入り、価格も安いですので使いやすいですが、液体油脂なので、パンを膨らみやすくしたり、柔らかくしたりする効果は得られません。

風味がある油でもないので、無理に油を入れずにパンを焼いてもいいのではと思いますが、パサつきを抑えるために入れるのであれば半量程度にとどめておいた方が良いでしょう。

油脂は他の油で代用しても入れなくてもOK!

パン作りに油脂は必須ではありませんが、油脂を入れたパンを作るときにバターがない場合は他の油脂でも代用できます

油脂を代用する時は、固形油脂か液体油脂かで使い方を変えると失敗しにくいです。

ここでは油脂を代用する場合の量と、油脂を入れずにパンを作る場合について解説します。

固形油脂を代用する場合は同量でOK

固形油脂で代用する場合は、レシピと同量でOKです。

固形油脂どうしであれば同じ油なので、分量も同じで問題ありません。

ただ、代用する油脂によって風味や歯ごたえが変わります。

 

例えば、バターをショートニングで代用した場合は、表面はサクッと軽い仕上がりになります。

ほとんどのレシピはバターの分量が書いてあると思いますが、他の固形油脂を使う場合でもレシピ通りの分量で代用できます。

バターのような香りは期待できませんが、固形油脂で代用する場合は、膨らみやすくやわらかいパンを作ることができますよ!

液体油脂を代用する場合は半量程度にする

固形油脂を液体油脂で代用する場合は、半々の分量で置き換えをすると失敗しにくく、ふっくらとした生地になります。

上述しましたが、液体油脂には可塑性がないため、生地に混ざりにくく、パンを大きく膨らませる効果はありません。

そのため、同じ分量を液体油脂で代用してしまうと、表面がベタつき油っぽい生地になってしまいます。

加熱すると油が表面に浮き、火が通りやすくなるため表面が硬くなりやすいです。

液体油脂で代用をする場合は、半分程度の量にし、半分は固形油脂を使うことをおすすめします。

パン作りは油脂が無くてもできる!油脂はパンを作りやすくする役割だった!

素材本来のおいしさを味わいたい、ヘルシーなパンを食べたいなら油脂を入れないパンを焼きましょう。

パンに油脂は必須な材料ではないからです。

ただ、油脂には5つの役割がありますので、入れることでパン作りに失敗しににくなります。

    1. 生地の伸展性を高める
    2. 生地を膨らみやすくする
    3. 水分を閉じ込める
    4. パンの老化を遅らせる
    5. 風味を良くする

どうしてもパン作りに失敗したくない人は、最初のうちは油脂を入れて作ってみましょう。

パン作りに慣れてきたら油脂を使わずに材料や配合を調整して、自分好みのパン作りにぜひチャレンジしてみてくださいね!

 

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